重症心身障害児のデイサービス探しで迷ったら|選び方と申請の流れをわかりやすく解説

お役立ち情報

重症心身障害児(以下、重症児)と過ごすご家族にとって、デイサービス探しは、毎日の生活にも深く関わる大切な問題です。

重度の障害があったり、医療ケアが必要な状況にあるお子さんを安心して預けられる施設があるのか、また受け入れてもらえるのかと、不安を抱えながら情報を探し続けているご家族は少なくありません。

実際に、対応できる施設の数が限られていることや、どこに相談すればよいかわからないまま一人で悩んでいるケースが非常に多いのが現状です。

この記事では、重症児のデイサービスを探しているご家族に向けて、施設の選び方・探し方・利用開始までの流れをわかりやすく解説します。

監修者:坂東 知子(ばんどう ともこ)

経歴
大阪急性期総合医療センター 救急病棟にて12年勤務。
実績
令和2年に「こどもデイサービスさくら」を設立。
現在は3事業所を運営し、これまでに50名以上の医療的ケア児・重症心身障害児の支援に携わる。
資格・専門
看護師・保育士
専門分野
・医療的ケア児支援
・重症心身障害児支援
・在宅医療・在宅ケア
・小児看護

  1. 重症心身障害児(重症児)とは?
    1. 厚生労働省の定義「大島の分類」
      1. 大島の分類表(1〜4が重症児の対象)
    2. 「医療的ケア児」との違い
      1. 重症心身障害児(児童福祉法)
      2. 医療的ケア児(医療的ケア児支援法)
  2. 重症心身障害児が利用できるデイサービスの種類
    1. 放課後等デイサービス(重症心身障害児対応)
    2. 児童発達支援(重症心身障害児対応)
    3. 医療型児童発達支援
  3. 重症心身障害児のデイサービスを探す方法
    1. 方法①|都道府県・各市区町村の障害福祉課に相談する
    2. 方法②|相談支援事業所に依頼する
    3. 方法③|都道府県の障害福祉サービス等情報検索システムを活用する
    4. 方法④|かかりつけの病院・主治医に相談する
    5. 方法⑤|保護者同士のつながりから情報を得る
  4. デイサービスを選ぶときの6つのポイント
    1. ① 対応できる医療的ケアの種類と範囲
    2. ② 看護師・専門スタッフの配置状況
    3. ③ 送迎サービスの有無と医療機器への対応
    4. ④ 支援内容・プログラムの内容
    5. ⑤ スタッフの雰囲気・コミュニケーション
    6. ⑥ 利用できる曜日・時間帯の柔軟性
  5. 利用開始までの流れ
    1. STEP 1|相談支援事業所に相談する
      1. 専門員が見つからない時は「セルフプラン」を検討
    2. STEP 2|受給者証を申請・取得する
    3. STEP 3|施設の見学・体験をする
    4. STEP 4|契約・個別支援計画の作成
    5. STEP 5|利用開始・定期的な見直し
  6. まとめ
  7. 参考文献一覧

重症心身障害児(重症児)とは?

参照:こどもデイサービスさくら

重症児とは、「重度の知的障害」と「重度の肢体不自由」が重複している子どものことです。

医学的な病名ではなく、常に手厚い介護や医療的なケアが必要な状態を指す行政上の呼称で、対象は小児期から成人まで含まれます。

全国的にこの重複するお子さんの数は増加傾向にあり、より高度な専門性を持つデイサービスが求められています。

厚生労働省の定義「大島の分類」

厚生労働省の定義では、知的障害(知能指数)と肢体不自由(運動能力)の程度を組み合わせた「大島の分類」の1〜4に該当する方が重症児とされています。

大島の分類表(1〜4が重症児の対象)

IQ(知能指数) \ 身体機能寝たきり寝返り 〜 お座りができる
20以下区分 1区分 2
21 〜 35区分 3区分 4

このように、身体機能と知能指数の両面から定義されています。

「医療的ケア児」との違い

よく混同されますが、根拠となる法律や定義が異なります。

お子さんがどちらに該当するか(あるいは両方か)によって、受けられるサポートの窓口が変わるため注意が必要です。

重症心身障害児(児童福祉法)

条件:知的障害 + 肢体不自由の「重複」。

特徴:医療的ケアの有無は問いません。

医療的ケア児(医療的ケア児支援法)

条件:人工呼吸器や喀痰吸引など、日常的な「医療的ケア」が必須。

特徴:障害の有無や程度は問いません。

重症児のなかで、喀痰吸引や経管栄養、人工呼吸器管理などが日常的に必要な場合、「重症児かつ医療的ケア児」として双方の支援対象となります。

重症心身障害児が利用できるデイサービスの種類

参照:こどもデイサービスさくら

重症児が利用できるデイサービス(通所支援)には、主に以下の3種類があります。

放課後等デイサービス(重症心身障害児対応)

小学生〜高校生を対象とした福祉サービスです。
放課後や夏休みなどの長期休暇に利用できます。

重症児に対応した施設では、看護師や医療的ケアの認定資格を持つスタッフが常駐しており、日中の活動支援を受けながら安全に過ごすことができます。
利用料は「障害児通所給付費」の対象となり、受給者証があれば原則1割負担で利用できます。
また世帯の所得に応じた月額の負担上限額が設定されているため、上限を超える金額を請求されることはありません。
(おやつ代、給食費、行事にかかる実費などがある場合は別途支払う必要があります。)
上限額の目安は以下のとおりです。

・生活保護世帯・住民税非課税世帯:0円
・住民税課税世帯(目安として年収890万円程度未満):月額4,600円
・住民税課税世帯(目安として年収890万円程度以上):月額37,200円

重症児対応の施設では、児童指導員に加えて看護師の常駐が義務付けられています。そのため、バイタルチェックや急変時の対応体制が整っているのが特徴です。

児童発達支援(重症心身障害児対応)

未就学児(0歳〜就学前)を対象とした通所支援です。
発達を促す療育プログラムや、日常生活動作の訓練などを受けられます。
また重症児に対応している施設では、お子さんの状態に合わせた個別支援が行われています。

小学校に入学した後は「放課後等デイサービス」へとスムーズに移行し、高校卒業まで一貫したサポートを受けられるのが特徴です。

利用料金は受給者証があれば1割負担が基本ですが、満3歳になって最初の4月1日から小学校入学前までの3年間は、利用料が完全無償化(実質0円)になります。
自己負担は原則1割で、世帯収入(市区町村民税の課税状況)に応じた月額上限額が設定されています。
また世帯の所得に応じた月額の負担上限額が設定されているため、上限を超える金額を請求されることはありません。
(おやつ代、給食費、行事にかかる実費などがある場合は別途支払う必要があります。)
上限額の目安は以下のとおりです。

・生活保護世帯・住民税非課税世帯:0円
・住民税課税世帯(目安として年収890万円程度未満):月額4,600円
・住民税課税世帯(目安として年収890万円程度以上):月額37,200円

(※0歳〜2歳児クラスの間は、世帯の所得に応じて月額の負担上限額が決まるほか、自治体によっては独自の無償化・軽減措置が用意されている場合もあります。)

医療型児童発達支援

医療的なケアが特に必要な未就学児を対象とした通所支援です。
医師・看護師・理学療法士などの医療職が配置された施設で、医療と療育を一体的に受けられます。
利用料金は受給者証があれば1割負担が基本ですが、満3歳になって最初の4月1日から小学校入学前までの3年間は、利用料が完全無償化(実質0円)になります。
自己負担は原則1割で、世帯収入(市区町村民税の課税状況)に応じた月額上限額が設定されています。
また世帯の所得に応じた月額の負担上限額が設定されているため、上限を超える金額を請求されることはありません。
(医療費、おやつ代、給食費、行事にかかる実費などがある場合は別途支払う必要があります。)
上限額の目安は以下のとおりです。

・生活保護世帯・住民税非課税世帯:0円
・住民税課税世帯(目安として年収890万円程度未満):月額4,600円
・住民税課税世帯(目安として年収890万円程度以上):月額37,200円

(※0歳〜2歳児クラスの間は、世帯の所得に応じて月額の負担上限額が決まるほか、自治体によっては独自の無償化・軽減措置が用意されている場合もあります。)

全国的にも複数の施設がありますが、定員が少なく空き待ちになることも多いサービスです。

重症心身障害児のデイサービスを探す方法

参照:photoAC

実際に施設を探す際に使える、具体的な方法を紹介します。

方法①|都道府県・各市区町村の障害福祉課に相談する

お住まいの市区町村の「障害福祉課」または「子ども発達支援センター」に相談するのが最初の一歩です。
地域の施設情報を持っており、お子さんの状態に合わせた候補を紹介してもらえます。

大阪市内にお住まいの方は、各区の「保健福祉センター(福祉)」や「大阪市障がい者相談支援センター」も相談窓口として利用できます。

方法②|相談支援事業所に依頼する

「相談支援事業所」の相談支援専門員は、施設探しのプロです。

お子さんの状態・必要なケアの種類・利用希望日などを伝えることで、条件に合った施設を一緒に探してくれますし、無料で利用できます。

方法③|都道府県の障害福祉サービス等情報検索システムを活用する

各都道府県では、障害福祉サービス事業所を検索できるシステムを提供しています。

「児童発達支援」「放課後等デイサービス」などのサービス種別や地域を指定して検索できます。
ただし、実際に重症児を受け入れているかどうかは施設に直接確認が必要です。
検索で候補を絞り込んだうえで、電話で問い合わせることをおすすめします。

方法④|かかりつけの病院・主治医に相談する

通院している病院の医療相談室や、担当の主治医・訪問看護師に相談する方法も有効です。

地域の施設事情を把握していることが多く、「あの施設なら対応できる」という具体的な情報を教えてもらえるかもしれません。

方法⑤|保護者同士のつながりから情報を得る

同じ状況のお子さんを育てている保護者から口コミ情報を得ることも、施設探しでは非常に重要です。

大阪府内には重症児の家族会や当事者団体があり、SNSやコミュニティを通じてリアルな情報を得ることができます。

デイサービスを選ぶときの6つのポイント

参照:photoAC

施設を探せたとしても、どこを選べばよいか迷う方は多いです。
以下の6点を確認することで、お子さんに合った施設かどうかを判断しやすくなります。

① 対応できる医療的ケアの種類と範囲

最も重要な確認事項です。

お子さんに必要なケア(喀痰吸引の回数・経路、経管栄養の方法、人工呼吸器の機種、その他の処置など)に対応できるかを、具体的に伝えて確認しましょう。

ホームページに「医療的ケア対応」と書かれていても、「看護師の配置人数の関係で、人工呼吸器の子は1名まで」といった施設ごとの制限がある場合があります。

事前に電話で詳細なケア内容を伝えることがミスマッチを防ぐ鍵です。

② 看護師・専門スタッフの配置状況

施設に何名の看護師が常駐しているか、緊急時の対応体制(救急への連絡手順など)を確認しましょう。

重症児を安全に預けるためには、医療職の配置が十分かどうかも非常に重要です。

③ 送迎サービスの有無と医療機器への対応

重症児を毎回自家用車で連れて行くのは、保護者にとって大きな体力的・精神的負担になります。

送迎サービスの有無はもちろん、車いす対応の車両があるか、乗車中に医療機器が使えるかどうかも確認しましょう。

単に「送迎あり」だけでなく、「バギーや大型車いすがそのまま乗れる福祉車両か」「送迎車内に電源があり、移動中も吸引器や人工呼吸器のバッテリーを充電・使用できるか」「送迎に看護師(またはケア資格保持者)が同乗するか」「学校へのお迎えはあるのか」まで確認することをおすすめします。

④ 支援内容・プログラムの内容

施設によって、音楽療法・感覚遊び・マッサージ・コミュニケーション支援など、提供しているプログラムの内容は異なります。
お子さんが楽しめそうか、発達・生活の質向上につながりそうかを見学時に確認してみましょう。

また重症心身障害児や医療的ケア児を対象とする施設では、お風呂(入浴支援)を実施している所もあります。
障害福祉サービスの「入浴支援加算」の対象となる要件を満たす場合、基本報酬の枠内で利用できますが、回数制限(月8回まで等)や、タオル・シャンプー等の準備、制度外の利用については各事業所により実費や自己負担が発生する場合があります。

⑤ スタッフの雰囲気・コミュニケーション

見学時に、スタッフがお子さんにどう接しているか、お母さんの話をどう聞いてくれるかを観察しましょう。

「ここのスタッフなら安心して任せられる」と感じられるかどうかが、長く利用を続けるうえで大切な要素です。

⑥ 利用できる曜日・時間帯の柔軟性

週に何日・何時間利用できるか、長期休暇中の対応はどうかなど、家庭のリズムに合わせた利用ができるかを確認しましょう。

複数の施設を組み合わせて利用しているご家庭も多くあります。

利用開始までの流れ

参照:photoAC

はじめてデイサービスを利用する場合、以下のステップで進めていきます。

STEP 1|相談支援事業所に相談する

まずは相談支援事業所に連絡し、担当の相談支援専門員に状況を伝えましょう。

しかし、大阪府内(特に大阪市や周辺地域)では、重症児に対応できる相談支援専門員が慢性的に不足しており、空き待ちになるケースが非常に多いのが現状です。

専門員が見つからない時は「セルフプラン」を検討

どうしても相談支援専門員が見つからず、利用を急ぎたい場合は、保護者自身が利用計画を作成する「セルフプラン(自主作成計画)」という制度を活用できます。

自治体の窓口で用紙を受け取り、フォーマットに沿って記入することで、専門員の選任を待たずに受給者証の申請・発行を進めることが可能です。

2024年報酬改定によるポイント

2024年度の障害福祉サービス等報酬改定により、セルフプランを利用し、かつ複数のデイサービスを併用するお子さんを対象に、事業所間でケア内容を情報共有・連携することを評価する「事業所間連携加算」が新設されました。

重症児のデイサービスは定員や営業日の関係で、「月水金はA施設、火木はB施設」のように複数を組み合わせて利用するご家庭が少なくありません。

今回の改定により、相談支援専門員が不在のセルフプランであっても、利用している施設同士がしっかりと横のつながりを持って、お子さんの情報を共有し合える手厚いフォロー体制が整いつつあります。

「1つの施設だけでは希望の曜日が埋まっている」という場合も、複数の施設を視野に入れながら、まずは自治体や各施設へ直接相談してみましょう。

STEP 2|受給者証を申請・取得する

デイサービスを利用するには「障害児通所給付費」の支給決定を受け、受給者証を取得する必要があります。

申請先は市区町村の窓口で、医師の意見書などが必要です。

取得まで数週間〜1か月程度かかることがあるため、早めに動き出しましょう。

STEP 3|施設の見学・体験をする

候補の施設に連絡を取り、見学の予約をしましょう。

お子さんの医療的ケアの詳細を事前に伝えておくと、スムーズに話し合いができます。

体験利用ができる施設もあるので、積極的に活用してみてください。

STEP 4|契約・個別支援計画の作成

施設との利用契約を締結します。

その後、相談支援専門員を中心に、お子さんへの支援目標や内容を定めた「個別支援計画」を作成します。

STEP 5|利用開始・定期的な見直し

利用を始めたあとも、定期的に担当者会議(モニタリング)が行われ、支援の内容を見直します。

気になることや困ったことがあれば、担当の相談支援専門員にいつでも相談しましょう。

まとめ

参照:photoAC

重症児が利用できるデイサービスには「児童発達支援」「放課後等デイサービス」「医療型」の3種類があり、年齢や状態に合わせて選びます。

施設を探す際は、市区町村の窓口や相談支援事業所、主治医、保護者コミュニティなど複数のルートを活用しましょう。
その上で、対応できる医療的ケア、看護師の配置、送迎体制などをしっかり確認することが大切です。

一人で抱え込まず、専門の窓口を頼ることが安心への第一歩です。

大阪で重症心身障害のあるお子さんのデイサービスを探している方は、ぜひ一度さくらにご相談ください。
お子さんの状態や生活スタイルに合わせて、最適なサポートをご提案します。

参考文献一覧

重症心身障害の定義 こども家庭庁「医療的ケア児等とその家族に対する支援施策」 https://www.cfa.go.jp/policies/shougaijishien/care-ji-shien/

重症心身障害児とは
https://www.mamorukai.jp/rikai/rikai-what_is/

医療的ケア児支援法(令和3年法律第81号) 厚生労働省「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」 https://www.mhlw.go.jp/content/000801675.pdf

全国の事業所検索(随時更新) 独立行政法人福祉医療機構「WAM NET 障害福祉サービス等情報検索」 https://www.wam.go.jp/

利用者負担(1割負担の根拠) 厚生労働省「障害児の利用者負担」https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/sougoushien/dl/jimu_h26-09.pdf

セルフプラン制度について
【加算活用事例】セルフプラン利用児童に対応する事業所間連携加算について|報酬改定2024

コメント